《前回までのあらすじ》
ついに正体を表したアバドモンコアはアポカリモンを支柱に収めた。意識と記憶を失い傀儡と化したアポカリモンはただの破壊兵器。
手始めにアポカリモンがこよなく愛したピコを攻撃させ喰わせた
アバドモンコアの目的は全てを無にし最後は自ら消えること
アポカリモンを操り向かうのは全ての闇が集まるダークエリア
「そんな!?」
ピコの魂の波長が途切れた
ヴァンデモンは魔眼を用いて魂の糸を手繰り寄せピコの魂を回収しようとした。
だが、すでに魂と生命活動は完全に停止してしまった
「アポカリモンが、…もう、お終いだ!」
ただならぬ状況を察して汗だくのヴァンデモンに不死王の臣下が駆け寄る
「ああ、なんてことだ!!」
残されたピコの肉体が消滅する
ヴァンデモンは悔しそうな顔を浮かべ砂と化したデータを握りしめる
「彼女の魂が殆ど喰われてしまった
更にアポカリモンが敵の手に堕ちた…!」
「そんなことある筈がありません!
あの慈悲深いアポカリモン様がやられるなど…」
「不死王を呼ぶんだ!このままでは世界が危ない!」
「こんな時はロイヤルナイツに任せろ!
皆強いし何よりジエスモンが超絶かっけーんだぜ!」
「…………?」
「ん?おいそこにいるのは誰だ」
「いけね、つい自分の宣伝しちまったぜ」
茂みの中から現れたのは赤いフードを被った成長期デジモン
彼はロイヤルナイツのジエスモン
今はハックモンの姿だが彼はアポカリモンの監視を担当している
「ロイヤルナイツが一体何用で?
まさか我々の邪魔を?」
「ち、違うよ!
さっきの話、師匠達に情報を共有したんだ!デュークモンや他のロイヤルナイツもすぐに対処に向かってるから安心しろ!って言いたかったんだ」
「勝てるんですか?相手はアポカリモン様
本気を出せば宇宙丸ごと消し去ることができる存在なのです!」
「そうだ!そんな余裕な態度で持ってて大丈夫なのか?世界滅亡案件だぞ?」
「大丈夫だって!
ロイヤルナイツがいるんだよ?
それに俺達がいるこの世界ってなんだかんだロイヤルナイツよりも有能な暗黒デジモンもいるしなんとかなるって!」
ハックモンのヘラヘラした態度に不死王の臣下とヴァンデモンは嫌な予感を浮かべる
「有能な暗黒デジモンですか…
例えばどなたでしょうか?」
「例を上げればアポカリモンかな
アイツのおかげでロイヤルナイツの仕事も厄介な案件回ってこなくなったし実力もオメガモン以上だしそれに………………………あ」
「やばくね?」ハックモンは青い顔を浮かべながら小刻みに震えだす
その様子からして大半の業務をアポカリモンに任せていたのだろう
「ロイヤルナイツってこんなに無能だったのか?」
「元々でしたよ、この間も内乱起こしてましたし」
「う、うせぇ!!そんなことより大変だよ!
師匠達と連絡がとれないんだ!
さっきから全然既読がつかない…」
ドカンッ!!!!!!
「なんだ!?なんの音だ!」
「アレ見て!何かが落ちてきたんだ!」
「ちょっ!?こっちに落ちて…」
「伏せろーーーー!!!」
ドゴォーンッ!!!!!!
ヴァンデモン達は爆発に巻き込まれる
砂煙が暫く落ち着いた頃皆は落ちてきた物体を見て驚愕することとなる
地に伏せていたのは盾を構えた白い騎士デュークモンと不死王グランドラクモンだった
「デュークモン先輩!!!!」
「グランドラクモン様!!!」
グランドラクモンとデュークモンは虫の息
二人とも全身の骨を折りマスクを破られるほど重症を負っていた
それだけでも信じ難いのに、さらに追い討ちをかけるかのようにロイヤルナイツの面々がダークエリアに各地叩きつけられる音が響き渡る
「師匠も、みんなやられちゃった…」
「あれを見ろ!空に何かいる!!」
「信じたくありませんが我が王とロイヤルナイツを倒せるヤツはあのお方しかおりません」
ダークエリアの空から巨大な影が現れる
不死王とロイヤルナイツを撃破したのは敵の手に堕ちたアポカリモンだ
「アポカリモン様!目を覚ましてください!」
「アバドモンコアを探すんだ!
ヤツを叩けば洗脳は解けるはず!」
「クソッ!何処にいるんだよ!」
アバドモンコアを探しているうちに突然アポカリモンのキューブが高速で回転しだした。辺り一面ビリビリと激しい電撃波を散らしゴウンゴウンと嫌な音がダークエリア全域に響き渡る
究極技"グランデスビッグバン"を発動したのだ
「逃げて─────────」
ダークエリアに住まう誰もが危険を察知して逃げ出そうとしたが手遅れだった
次々とデジモン達の声が途切れ、音も空気も全て暗黒に呑まれる。
その様子を見ていたアバドモンコアは高らかに笑い、そして泣いていた
ゴゴゴゴゴォ…
暫くして巨大な穴が出現する
ダークエリアがあった場所は消滅し闇だけとなった
闇の中辛うじて残っていたのは消えていったデジモン達の僅かな残留データとアポカリモンだけ
アポカリモンは不死身な故に再生能力も持ち合わせている
だから"何度"自爆しても身体がズタズタになっても生き残ることが出来る
アポカリモンの体は焼け焦げ、傷口から大量の血を流していた
「上手くいったか?」
別次元に逃げていたアバドモンコアが空間を割いて現れる
目の前に広がる闇にアバドモンコアは歓喜を上げた
「いいぞぉアポカリモン!
このまま他世界のデジタルワールドも全て消しちまえ!」
楽しげに語るアバドモンコア
全てを消す為に生まれ、最後は自身も自らの手で消滅するという悲しきデジモン
しかしこのアバドモンコアは通常のアバドモンとは違う
イグドラシルから生まれた特殊個体
終末装置として創られた言わば生けるリセットボタン
世界が存在する限り生かされ続け、例え全てが無に帰してもイグドラシルは再びデジタルワールドを創造し気に食わなければ消すという作業を永遠と繰り返す生物兵器
アポカリモン同様アバドモンコアも死ねずに苦しむデジモンであった
「初代イグドラシルは死んだ!!!
2代目が新たに別の誰かが就任しようが俺の責務は変わらねぇ!!破壊だ!あらゆる世界を破壊しまくってやる!」
だって、そうしろと生まれてきたのだから
俺はこんな腑抜けなアポカリモンとは違う
ちゃんと仕事もする
ちゃんと言う事も聴く
アバドモンコアは時空をこじ開けアポカリモンを別世界へ誘う
そして再びアポカリモンにグランデスビッグバンを使わす
アポカリモンがどれくらい耐えられるのか興味があるし、何よりこっちの方が手っ取り早くコチラが手を汚さずに済む
楽に世界を滅ぼして、俺も楽に消えたい
壊す為に生まれてきたのに自らを壊せない
こんな理不尽な命(自分)を作ったイグドラシルを心底恨んでいる
「イグドラシル、早く俺を殺しに来い」
俺に無という祝福をください
いい加減この魂を無に帰させて…
消滅するデジモン達
数多のデジタルワールドが消える
一つ一つの世界は来世を約束されている
彼らを妬みながら、羨みながらアポカリモンとアバドモンコアは破壊を続けるのだった
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プツンプツンと記憶の線が途切れていく
『ボクがアポを幸せにしてみせる///!!!』
『一緒に生きよう…そして最後は一緒に死のうよ…』
『ボクがアポを救う
そうだ!きっとボクはアポを救うために生まれてきたんだ!』
『アポ、起きて、ボクはここだよ…』
消えていく誰かの記憶
「お前は誰だ?」
ピコというかけがえのない存在の記憶をアバドモンコアに消されたアポカリモンは朧気に自身の触手状の腹を撫でる
「異物が混じったのか?」
胎内で小さな火花がパチパチと静かに燃え尽きる
ソレの正体が分からないまま他のデータと混ぜながら緩やかに吸収する。
その様子をおびただしい数の眼球がニタニタと不気味に笑ってコチラを見ている。
状況が分からない。
ここが何処なのかも分からない。
理解できる思考が奪われてるせいか今はもう何もかもがどうでも良くなっていく
目玉に提示されたことを淡々と実行する
その行動に疑問を持たない
指示されればひたすら自爆、自爆、自爆…
爆発に巻き込まれば命は瞬く間に死した
悲鳴、血飛沫、涙、憎悪、全てが我が身に吸収されていく
そうだ
自分が生まれた目的は世界を"無"にすること
我々は世界を滅ぼす者、終焉の王だ
そう有れと無念の魂達のデータから生まれたアポカリモンという存在なのだからそれを全うするのだ
時空を歪ませ、デジタルワールドに降り、大地と海を引き剥がし生きとし生けるデジモン全てをバラバラにデータ化してアポカリモンだけが存在する世界にして、そして、そして?
「無にした後どうするのだ?」
アポカリモンは胸に手を当てて考えてみる
聴こえてくるのは自身の心臓の鼓動
「我の心臓が動いている、つまり生きている
生きているのに心はどうして死んでいるんだ?」
トクトクと波打つ度に穏やかな気持ちに包まれる。周りは阿鼻叫喚する間もなく消えていく。生命を消すことを作業の様に淡々とこなしている。とても穏やかで落ち着いた感情で自爆を繰り返す
しかし自爆をして再生を繰り返す内に違和感に気づく
自身は何処から来て何処へ向かっているのか
そもそも全てを無にしてどうするというんだ
"この世界は我の理想の世界だ"
生まれて初めて見た人間の家族が仲睦まじく愛されてるのを見て羨ましく思って……
『愛してる』と『生まれてきてくれてありがとう』と言われたくて…
「そうだ、我はこんなことをしたいのではない」
アポカリモンは正気を取り戻し自爆を中断する。細胞が何度も損傷と再生を繰り返したことでアバドモンコアの洗脳から解放されたようだ
その様子を見ていた複数の眼球が『なにをしてる』『早くこの世界を壊してしまえ』と囁く
「無理だ、"私"には出来ない
私はこの世界を壊したくない」
『終焉の王よ、お前は無にすることが本望なのに何故否定する』
アバドモンコアの形をした影がアポカリモンの全身を覆う
目玉に埋め尽くされ身動きがとれない状態となった
「アバドモン、お前から生気が全く感じられない。まるで精神と肉体を切り離された様な感覚だそれもそのはずここは我の意識世界なのだろ?」
アポカリモンの視界がクリアになり辺り一面闇の世界へ変化する
ここはアポカリモンの意識の世界
アポカリモンは細長い腕でまとわりつくアバドモンコアの影と眼球を振り払う
襲ってくる目の大群を押し退けるため巨体では不利なので人間の姿(アバター)へ変身する
「光!」
真っ暗な意識世界で一筋の光を見つける
あれが出口だ!と無我夢中に光に向かって走る
『そっちに行ってどうする』
『この世界にいれば楽だというのに』
『光の世界はお前を受け入れない』
『お前らは闇の世界でしか生きられない』
変わらず囁く闇に翻弄されながらも、触れれば自身は消滅するかもしれない光を前にアポカリモンは"勇気"を振り絞って手を伸ばす
「!」
光は彼の手を拒むと思いきや、光の中から暖かな人の手が優しくアポカリモンの手を掴み引き上げていく
「お前はダレだ?」
手の主からは返答はない
アポカリモンはそのままゆっくりと光の世界へ誘われる
ここではアバドモンコアは入れない
眩い光の中では誰かに優しい抱きしめられる感覚だった。間もなく意識が回復し現実世界に戻されるだろうと思ったがどうやら自分の意識は別の世界へ招きられたようだ
『アポカリモン、これを持って行きなさい』
「!?」
突然の声
それは女性の声だった
アポカリモンを掴んだ手が出現する
その手には複数の輝く何かが現れる
それは『8つの紋章』だった
「紋章!?一体何故こんなものが…まさか」
アポカリモンは手の主の正体に気づく
紋章を生み出し管理できる存在はこの世で神しかいない
「イグドラシル…!?本物なのか!?」
人の形をした光がアポカリモンの前に姿を現す
イグドラシル
世界の裁定者でもないアポカリモンに世界の秩序や運営を押し付けた張本人。
億万年という気の遠くなるような時間働かされ、謁見するどころか存在そのもの何処にいるのかすら分からず毎日恨み辛みを吐いても決して現れることのないデジタルワールドの管理者であり神だ
目の前にいる奴は自身を生み出した原因、死ねない体にした張本人だというのにやっと会えた喜びが勝ってしまった
アポカリモンは無念の魂の集合体
その大半は誰からも愛されなかったという無念。生まれた意味を得られず叶わず散って逝ったデータ
アポカリモンはイグドラシルに一度も会ったことの無いがそれでも分かるのだ
「解析しなくても分かる
お前から懐かしいオーラを感じる
とても、とても不愉快なオーラだ」
人の形をかたどっていたアポカリモンが本来の姿に戻り、大型の五角形キューブと触手を用いて実体を表したイグドラシルに殺到する様に囲む
人間の女性の姿したイグドラシルはなんの躊躇もなくアポカリモンの本体部分に触れる
このまま怒りに任せてコイツを握りつぶしズタズタに引き裂くことも容易であろう
しかしイグドラシルは人の形で涙を流し出した
何故泣く?動揺させ隙を作るためか?
『アナタに謝りたかった。
本当にごめんなさい』
「は?」
イグドラシルの発言に困惑する
「何度も何度も会いたいと願い訴え続けたのに応じなかったくせに!!」
『私も会いたかったです
アナタのことをずっと見ていました』
「ずっと?だと!?いつだ?
いつから我を見ていた?まさか最初からとでも言うのか!?」
イグドラシルは涙を拭いながらコクリと頷く
アポカリモンは「まさか」と絶句した。
イグドラシルはアポカリモンが生まれた瞬間から今に至るまで全てを"見ていた"。それがもし事実だとしても今まで散々コチラを無視し、理不尽な責務を背負わされたことに恨みがある
今更泣いて謝るだなんておこがましい
「訳があろうとなかろうと我々はお前を憎んでいる。それを承知の上で接触しているのだろう?ならば早く言え!!
さっさと言わないとお前を今すぐズタズタに引き裂いてやる。」
『ええ、アナタの怒りもごもっともです
アナタ達をただ傍観することを選んだ理由
"過去の過ちを繰り返す"と判断したからです。最初のイグドラシルが神の位置を離れ我欲のまま世界を壊した罪
世界を干渉しない、デジモンに手を貸さない
二度と同じ過ちを繰り返さないために自身に枷(ルール)を用いました』
「罪?」
『アナタを含めた全ての命が幸せに暮らせる世界にできなかった罪
私はアナタに不幸な人生を歩ませてしまった
ごめんなさい…ごめんなさい…』
握り潰そうとしていた触手を引っ込ませイグドラシルに近づく
きっと罠だ、これも演技だと思った
けれど光の世界にいるからだろうか
人の形をしたイグドラシルからは悪意が全く感じられない
けれどアポカリモンは信じたい、その思いで彼女に近づき目と目を合わせ話をする
「最初のイグドラシルとやらを言っていたな。それはどういう意味だ」
『改めて私は2代目イグドラシル
アナタを生み出したこの世界の管理者であり、人のデータを取り込んだコンピューターです』
「2代目!?
別のイグドラシルがいたというのか!」
『初代イグドラシルは世界を愛情こそが幸せの鍵になると信じ注ぎ続けた結果、自らの幸せだけを望む暴君へと変貌しました
その後人間の来訪をきっかけで自らシャットダウンしました。その後リセットし新たに生まれたのがこの私、2代目イグドラシルです』
「人のデータを取り込んだとはどういうことだ?お前は何者なのだ?」
『私は過去に来訪した一人の人間のデータを元に生まれたコンピューターにすぎません
この姿もその人間の姿を借りてるのです
そしてアポカリモン、彼女がいなければアナタは生まれていませんでした』
「どういうことだ」
『アポカリモン、アナタはデジタルモンスターであり同時に"人間"でもあるのです』
「!」
『デジタルワールドを最初に来訪した彼女は妊娠していました。出産する直前で彼女の子供は初代イグドラシルの手でデジタルの海に捨てられてしまったのです
彼女の無念と後悔、子供を想う力が加わったことでアナタは生まれた
アポカリモンは存在そのもの不明
だから人と分類されても認識もされないのでしょう
アナタは他のアポカリモンとは違う形で生まれた、元となった器が"生まれなかった人間の赤ん坊の無念"』
アポカリモン、アナタは人間性を兼ね備えたデジタルモンスターとして生まれたのだ
『その証拠にアナタは世界を憎むことを良しとせず自ら消えることを選びました。
そう、まるで人間の自殺願望と同じ。
デジモンは自らの意思で自殺を望みません。
少なくとも私が管理するこのデジタルワールドでは自殺するというプログラムは存在しないのですから』
「我が、人間か…なるほど、それで…?
それがなんだというのだ」
『その様子ですと気づいていたのですか?』
「ああ、薄々気づいていた。
我は生物として破綻していた
生き方も、生物としての在り方も…
生きたいのに死にたいと願い
救われたいのに見放してほしい
何もかもが矛盾だらけ
まるで人間が混ざっているかのようだ、と
お前の話を聞いて確信した。デジモン性と人間性の欲の部分が混ざり合って生まれた"エゴの塊"なのだ
だが、だからと言って何故今更我の前に現れたんだ?出生を話す為?我をどうする?
こうしている間にもアバドモンコアによってデジタルワールドは破壊されているというのに
アイツを今すぐに止めねば」
闇の世界から爆発音が聞こえる
アバドモンコアがアポカリモンの体で破壊の限りを尽くしているのだろう
『アバドモンコアを止めてどうするのです?
あの子は最後自らも無になる運命の子
どうせ自滅するのです。放っておけばいいのです』
「無念の集合体である我には分かる
アイツは心の底で『タスケテ』と訴えていた。アバドモンコアも我と同じ与えられた生に苦しめられたデジモン。これ以上苦しんでほしくない」
『それは同情ですか?』
「いや、こんな素晴らしい世界に生まれたのに破壊者に立ち回らなければならない苦痛は計り知れない。
元々我が背負わねばならない仕事だ
人のデータが混じっていようと関係ない
アイツひとりで抱え込むのは流石に放っておけない」
アポカリモンの優しい眼差し見てイグドラシルは「よかった」と小さく頷いた
彼は邪悪なアポカリモンではない
存在そのものが正体不明であるが彼には人間以上の自己犠牲精神とデジモン以上の承認欲求を持っている
だから託すのだ
なぜならアナタはこの世界の最初の選ばれし██。
『私がこうして現れたのはこれ渡すためです』
色彩りに光り輝く8つの紋章
琥珀色、藍色、紅色、桃色、黄緑、黄色、水色、白色
かつて、別次元のアポカリモンが紋章とデジヴァイスの力で封印された。デジタルワールドを守り、デジモン達を新たな姿へ進化させる光
「これで一体何をしろと?」
尋ねた時には既にイグドラシルの姿はなくなっていた。光の世界はやがてアポカリモンを排除しようと再び闇の世界へ送り出そうとする
「待て!我はこれからどうすればいい!!
答えてくれ!イグドラシル!!」
アポカリモンの体が闇に飲み込まれ、もう遠くなった光。その中で微かに人影が現れてアポカリモンに語る
『あとのことは"お母さん達"にまかせて』
私はアナタの母親データを真似たに過ぎない
だから彼女の代わりになれない
それでも、アナタを█してる━━━━━━。
ノイズのかかったイグドラシルの声が闇にかき消される
だがアポカリモンの耳にはちゃんと届いていた
「愛してる?今更親ズラして何がしたいのだ」
「本当に馬鹿馬鹿しい…」と呟き自らを抱きしめ瞼を閉じると精神世界は消え、現実の体に戻る
こうして長い昏睡状態だったアポカリモンの意識は現実世界へ帰還する
しかし現実世界は何もかも消された後であった
無
目覚めると世界は姿形も残されてなかった
ただ闇が広がっていて、アポカリモンとアバドモンコアしか存在していない
「何も無い…そうか、間に合わなかったのか」
アポカリモンが嘆く間もなく突然アバドモンコアが「うわあああ」と怒り散らしながら泣き出した
「どうして咎めに来ないんだ!!!!!
イグドラシル!!!!!!!
俺は全てのデジモンを消したぞ!
全てのデジタルワールドを消したんだぞ!!
なのに、なのになのになのになのにぃ!!!
俺はまた死ねないのかよぉ…」
アバドモンコアは嗚咽しながら身を掻きむしる
その姿はズタズタに引き裂かれていた、恐らく何度も自害を試みたのだろう。
全ての破壊の末、自らの祝福(無)を望んでいた
しかしそれでも変わらない
2代目イグドラシルは裁くどころか全く何もしてこない
どうして?
ちゃんと仕事したよ?
ちゃんと言う通り全てを消したよ?
どうして現れないの?
どうして構ってくれないの?
「悪いヤツは裁かなくてもいいのかよ!
それでも神か?
俺は、どうしたら消えることが出来る?
いい加減死にたい!死にたい!死にたい!死にたい!死にたい、死にたいよ…」
乾いた声が響き渡る
闇しかない空間の中、アバドモンコアの涙と傷口から滴る血液が満たされる
アバドモンコアの発狂した姿にアポカリモンは黙って見ているしかない
目も当てられないくらい泣き喚く彼を攻撃する気にも慣れない
世界が無くなってしまったということは
簡単に考えれば達成してしまえば"やるべき事が無くなる"
その後どうすべきかプログラムされていない
アポカリモンは自らの命を誰にも迷惑をかけずに散らせるを模索してきたのだ
ドロリ
「?」
アポカリモンの額から流れる緑の液体
手で脱ぐうとベッタリと緑色の血液が掌を汚す。再生が追いついていないのか、他の箇所からもドクドクと血が零れ落ちている
アポカリモンのキューブもボロボロに破損していた。洗脳されてる際に究極技"グランデスビッグバン"を使用したと気づく
「再生が追いつかないほど自爆したのか」
星は全て消え失せ闇しかない世界
だが不死身であるアポカリモンとアバドモンコアは健在
毎秒ビックバン級の自爆を喰らえば他の不死身を持つデジモンとて二度と再生しないだろう
世界は破壊できても己自身は壊せないなどなんて皮肉だろうか
「お前もイグドラシルから生み出された死ねない、消えない生き物として創られたデジモン。ならばその命を他者の命の為に使おうとは思わなかったのか?」
「俺は自由だ!俺の望みはこの生命という枷から解き放たれることだ!なのに!
お前のグランデスビッグバンを食らっても俺の体は死なねぇ!!!!
世界を何度も何度も消して消して消しても!
神によって再創造され生かされ続ける…
なぁ、俺らに終わりは来るのか?
この仕事は役目はいつ下ろしてくれるんだ?」
「それは…"私"にも分からない」
アバドモンコアに対しての恨みはない
大半の記憶が抜けてしまったせいか何か大切なものを忘れてしまったようだが今はどうでもいい
世界がなくなってしまった今、咎めようにもアバドモンコアがあまりにも哀れで裁く気持ちも失せてしまった
アポカリモンは黙ってアバドモンコアに寄り添う様に触手を伸ばす。試しに退化技の"デスエボリューション"をかけてみるもアバドモンコアは退化しない
「無駄さ、お前に近づいた時ケラモンの姿をしていたがアレは皮を被っていたに過ぎない。力もそのまま、結局俺は別の誰かに成りきることも成りたいモンに成ることさえできない」
「成りたいものにもなれない?」
「そうだ、笑っちまうと思うが俺は幼年期デジモンに憧れてたんだ」
「それは一体何故なのだ?」
「俺は生まれた瞬間から強かった
弱い命が誕生してから成長する体験をすっ飛ばしちまった。全てを消すのは簡単だが積み重ねて強く生きてきた奴らが悔しがりながら消えていく無念の顔が感情が理解できなかった」
「お前は弱さを知りたかったのか?」
「悪いかよ、この力じゃそこら辺に咲く花も触れられねぇんだ」
「そうか、お前も世界そのものから拒絶されていたのか」
何も無い空間を眺める
今まで散々怒りや悲しみ、憎しみを押さえつけ精神が押しつぶされそうだったのに
いざぶつける対象が無くなくってしまった途端気力が無くなってしまった
世界を壊す、消す、それで?
この世界にコンティニューもリスタートもない
目標も生きる意味もない
虚無、無だ
「我々はなんの為に生まれたんだろうな」
アポカリモンはイグドラシルに渡された紋章を取り出す
「紋章なんざ今更使ったってどうしようもねぇぞ」
「ああ、だがイグドラシルのことだ
何か理由があるに違いない」
「はっ!紋章に釣られて俺らを産んだ黒幕が出てくるのかよ」
バキバキッ
アバドモンコアがそう言った束の間、彼らの目の前で大きな亀裂が走る
「な、なんだ!?」
割れたガラスのようにバリバリと音を立てソイツは時空を破って現れた
「コイツは!」
現れたのは二つの頭を持つ巨大な竜
時空間を自由に飛び交い、あらゆる時代・世界を破壊しつづけんとする邪悪なる王ズィートミレニアモン
奇声をあげながらアポカリモン目掛けて大きな口を開いて"タイムデストロイヤー"を仕掛けてきた
「どうしてコイツが襲ってくんだよ!?」
「狙いは紋章だな。先程お前が言っていた黒幕かは別に目的があるようだが…」
ズィートミレニアモンに意思があるのか分からないが紋章を渡したところで世界は全て無くなった今なんの意味もないというのに
ん?意味もない?
「もしかしてお前も楽になりたいのか?」
ズィートミレニアモンはその言葉に静止する
破壊者とて破壊するものが無くなればどうなる?
ズィートミレニアモンもアバドモンコアと同じように破壊するものが無くなり自暴自棄になっているのではないか?
「なぁ、お互い破壊する者同士攻撃しても意味ねぇぜ、無駄に疲れるだけだ」
アバドモンコアの「お前もよく頑張ったな」の言葉にズィートミレニアモンの瞳から涙が零れ落ちる
彼にも心は存在する
別次元に逃げて破壊しても終わりは必ず来る
世界がなくなったことでアバドモンコアとアポカリモンの元に来た
彼も同じようにやる事がなくなった絶望に伏しているのだ
「俺らに心を持たせた神に一発殴ってやりたいところだが、神は俺達を見捨てたみたいだぜ」
「いや違う、イグドラシルは何らかの意図があって我に紋章を渡したのだろう」
アポカリモンは8つの紋章を重ねる
様々な色が混ざり合い紋章の形は歪となった
「全ての色を混ぜると"黒"になる
それは闇と呼ぶべきか?違う
黒も立派な色のひとつだろう」
「どういう意味だ?」
「数多の命が集まればその星は光って見える、だが実際に混ざり合えば黒にもなる」
「それって俺らも?」
「我々にだって涙もあれば感情もある
ならば黒であろうと濃さを薄めることは可能ではないか?」
「それは…」
つまり薄めれば薄めるほどただのデジモンに近づけるということ
あくまでこれは憶測にすぎないが、不死身な我々にとってはそれしかもう方法がないのかもしれない
「クロックモンの敵の体に流れる“時”を破壊する"クロノブレーカー"、8つの紋章、その両方と我の体を器に使えば不死を薄められる」
我々の中の時の概念を破壊し不死を無くす
不死とは永久、ならばそれを無くせばいい
紋章の力と時の技を使いデジタルワールドを修復させる
「見ろ、自爆を繰り返したことで我の再生能力は明らかに再生が遅れている。明らかな劣化が見られる
相手のデータを分解吸収する"ソウルアブソープション"を使いお前達のデータを一つになれば、お前達にも不死が劣化した状態が付与され生まれ変われることができる」
「雲を掴む様な話だが悪くねぇ
だがどの道お前一人でやらなきゃならないんだぜ?それでもいいのか?」
「お前達の無念が無くなり我が身が軽くなるならそれでいい」
「お前、ほんとアポカリモンらしくないアポカリモンだな」
「ああ、自分でもつくづくそう思うよ」
「ズィートミレニアモンもそう思うだろ?」
ズィートミレニアモンもコクンと頷く
ほんの少しばかりの時であったが、破壊者同士話し合えてとても良かったと心から思った
もしお互い記憶が残っていたならまた会おうと約束し、アポカリモンは二人のデータを全て吸収する
そしてアポカリモンは8つの紋章を握りしめ、全ての力を究極技に込める
「これを使うのもこれで最後にしたいものだな」
世界を巻き添えに自爆する技だが、やり方に寄っては無限のエネルギーを生み出せる
もしもこのエネルギーが皆為に役に立てば…
ボンッ
アポカリモンは自爆し更に弱体化した状態で時の技を駆使して全てが亡くなる前に時間を逆行させる
自身の膨大なエネルギーと紋章の力を加えて"会いたい"と強く願う
会いたい?
はて、一体誰のことだろう?
エネルギーを使い果たしアポカリモンの身体がデータに分解されていく
一度分解されてしまえばデジタルワールドのデータの一部になるか、いつ何処の時間軸に生まれ変わるか分からない
アポカリモンの記憶の隅に残っていたいつか見た子供と母親の記憶
心から羨ましいと思ったのは自分もそう成りたいと思ったからだ
「生まれ変わっても会えたらいいな」
0と1広がる世界
どれくらいの時が経ったのだろう
アポカリモンのデータだった欠片に一体のデジモンが現れ一粒一粒丁寧に拾い集める
一つに集めても21gも満たないデータにそのデジモンは話しかける
『アポ、迎えに来たよ』
「!」
その一言で散らばっていたアポカリモンのデータは人の姿を形成する
目の前にはデータを集めてくれたデジモンがいる
その正体は古より秩序を失った世界を無に帰すことで、世界の救済をはかる高位の存在
オルディネモン
だが、アポカリモンは気づく
彼女から自身と同じ匂いがする
そして呼び方に聞き覚えがある
「お前はオルディネモン?
それとも神(イグドラシル)か?」
『うん、好き方で呼んでもいいよ
私はキミが生まれてくるのをずっと待ってたんだ。キミが私のお腹の中にいた時からずっとずっと…』
お腹の中にいた時?
まさか
「そうか、イグドラシルの言っていた最初の人間はお前なのか。デジモンに転生していたのだな」
『うん、不死を与えられたキミを救いたくて生まれ変わったの。ずっと私から構成された負のエネルギーを注ぎ続けたんだ』
長い長い転生の旅だった
必ずウイルス種に転生するように体を弄り、他の誰よりも酷い行いをして死ぬを人生を繰り返した
そうすれば必ずアポカリモンの元に負のエネルギーと魂が魂集中する
キミに流れ着くと信じてやってきた
キミの体の全ては私でできていると言ってもいい
『本来、大量の負のエネルギーを浴び続ければ発狂してしまう。けど私の負のエネルギーの根底はアナタを想う"愛情"から生まれてきている』
「そこまでするなんて、お前は我の何なんだ…」
『お母さんよ』
「!」
『自分の子供が千年万年苦しんだりしてる姿は見てられないよ。私で出来た全ての負のデータを分解しありのままのアナタをまっさらな状態に解き放つことができる』
「ありのまま?我はまたアポカリモンに転生するんじゃ…」
『そう、これからキミは新たなアポカリモンとして生まれ変わることになるけど
どうしたい?』
弱体化したとはいえ世界を壊すことも出来る
なんなら世界だって作り替えることも出来る
神にだって歯向かうことも出来る
アポカリモンを苦しませる枷(不死)はなくなったのだ
『お節介だけど望むならお母さんは何でも叶えてあげたい』
キミは何を望む?
「願いは………………。」
『そう、そうなのね!分かったわ』
アポカリモンの返答を聞いたオルディネモンは大きな翼を羽ばたかせた
アポカリモンのデータを抱えデジタルワールドを目指してデータの中から飛び立つ
青い空、白い雲
ここははじまりの街の付近の野原
世界は何も無かったかのように運営している
時間はアバドモンコアがアポカリモンに接触するよりも前らしい
はじまりの街に捨てられていたアナログテレビが突然点滅しだす
テレビ中からオルディネモンが飛び出した途端体がデータ化してみるみる小さくなる。抱えたアポカリモンのデータを野原に寝かせ彼女は微笑みながら『P』と鳴いた
小さく丸いデジモンが横たわる人間の男性を揺り起こす
「アポ、起きて」
「…誰だ?」
気がつくとアポカリモンは人の形で現界していた
触手を出すことは可能だが膨大なエネルギーが無ければ本来の姿に戻ることはできないらしい
「まさかアバターに転生するとはな…」
人の姿の方が効率がいいと以前考えてはいたが叶えてくれるとは思わなかった
「ボクのこと覚えてる?」
アポカリモンの横にパタパタとピコデビモンが飛んでいる
その顔は少し不安げだ
「お前はオルディネモンか?」
「あ、うん…そだよ、ボクは━━━━」
「いや違う、お前はピコだ
私の大切なパートナーだ」
「え、アポ…記憶失ったんじゃ…」
「心の底から会いたいと願った相手はオルディネモンでも私の母と名乗る人間でもない
お前だ、ピコ。私を救い出してくれてありがとう」
「あ、嗚呼…アポォ…!!!!!!」
大泣きするピコを抱きしめつられてアポカリモンも泣いた
暖かい春の風が抱き合う二人を優しく包み込む
[一緒にいて欲しい]
それがアポカリモンが答えた願い
「アポ!願いは叶ったけどね、時間がないみたい。でもこれから生まれ変わってもずっとずっと一緒にいるから…」
「そうか、もう寿命か…」
「うん、これも仕方ないよね。
体に隠していたホーリーリング6個使ってオルディネモンになったんだ。それでもエネルギーの消費は激しくて寿命も捧げちゃった」
「ならば次に会う時に返さないとな」
「えへへ、次も沢山冒険しようね…あ」
突然の突風
被っていた黒いキャップ帽子が飛んでいく
すぐ手を伸ばしたならば届くことも出来たはず、しかしアポカリモンは取りに行こうとは思わなかった
回転しながら飛んでいった帽子は見えなくなった、もしくは本体から離れて消滅したのかもしれない。けれどこの美しいデジタルワールドに受け入れられたと思うと清々しい
ピコの顔を見てニコリと笑みを浮かべる
このデジタルワールドは愛情で溢れてる
以前来た時に感じなかった暖かく心地よい気持ちが胸いっぱいに満たされる
まるで肉体から魂な解き放たれたようだ
アポカリモンとピコは帽子が野原を越え踏切を越えて、小さくなるまで何処までも何処までも見守る
「アポはこれからどうするの?」
「私は人類が明日を乗り越える力となりたい
その為なら私はラスボスにでもなってやろう」
「やりたくないなら無理にやろうとしなくていいんだよ?」
「私はアポカリモンという名と生を与えられたことを誇りに思う。これは、私にしかできない重要使命だ。今度は投げ出さない。」
ザワりと強い突風が吹き太陽の光が雲に隠れる
ピコは悲しげな顔を浮かべると突然彼の頭に飛びつく
「!」
キュッとアポカリモンの頭を抱きしめ、ポロポロと涙を流す
「強く願えば夢は叶うよ
例えまた世界が敵になったとしても、ボクはこの先もずっと味方だからね」
「私たちが出会えたこともそう願ったから叶ったんだ。次の困難も一緒に乗り越えられるさ」
思えばこの世界を壊すことを拒み、苦しみに耐えてこられたのも、こんな自分も生まれた意味があるのではないかと心の片隅に思い馳せていたから。それが分かった途端今までの苦痛、苦悩は無駄ではなかったと感謝で満たされる
心残りはピコとの時間はあまり残されていないことぐらいだ
「最後にお願い!血を、吸わせて…」
「ああ」
忘れないように
"次に会った時"思い出せるように
ピコはアポカリモンの首にカプリと噛みつき血をちうちう吸う
彼の首に小さな歯型が刻まれる
可愛らしい唇を離し最後の血をこくんと飲み込んだピコの瞳は今にも再び零れ落ちそうな大粒の涙を貯めていた
「あまりひとりで背負い込みすぎないでね
ほんの間だけ少し寂しい思いをさせちゃうけど、すぐ会いにいくから!」
「わかっている」
優しくギュッと抱きしめ返すとピコの体が少しずつ消えかかっている
「それじゃ…またね」
「ああ、また明日」
おやすみなさい
「P」とピコが笑顔で鳴くと体がデータ化したちまち霧散する
通常デジモンは転生すると前世の記憶を引き継げない
会いたいという想いさえあれば必ず出会える、そう信じてアポカリモンはデジタルワールドを去る
人の形を獲得し、他のデジモン同様のステータスとなったことで後から疲労と睡魔が襲ってきたのだ
長い休眠となるだろう
昔々のそのまた昔
デジタルワールドに人間の親子がいた
親子はそれぞれ違った経由でデジモンに生まれ落ちました。別れ別れになったとしても世界が何度も改変しても親子はめぐり合うことができました。
これから彼らは普通のデジモンと同じように進化と退化、転生を得ては出会いと別れを繰り返すだろう
だが愛情の紋章に強く影響を受けたこのデジタルワールド
不死を持つデジモン達は皆人知れず新生した世界で普通の命に限りあるデジモンに生まれ変わり毎日幸せな日々を送っている
はじまりの街で赤い瞳のクラモンが誕生したとニュースになったんだとか
ピコも再会を求め転生し、アポカリモンはこの世界で生きる意味を見出し新たなに歩みだすのであった

【完】