まえがき
本作品は「#おまラス」ことデジモン創作サロンの企画「おまえのLAST EVOLUTION 絆を見せてくれキャンペーン」に参加している作品です。
映画のネタバレはありませんが、やや過激な表現、もしくは人によっては不愉快になる表現が含まれている可能性がございますので、苦手な方はご注意下さい。
「リナちゃんでもワンクッション置くよ!?」
私から顔面にドロップキックをかまされふっ飛ばされ、起き上がった『強欲』の魔王バルバモンの、第一声。
とりあえず目の前のこいつに『デジモンストーリー サイバースルゥース』の知識がある事だけは確認できたが、判った事と言えばそれだけだった。
なので
「やかましい」
私はこれまでに蓄積されていた鬱憤を全て包み込んで、吐き出したひとことへと乗せる。
基本的に出番はパッとしない事が多いものの、バルバモンと言えば魔王の中の魔王。究極体魔王型というだけでデジモンの中ではトップクラスの存在に違いないのに、こいつの場合設定そのものが中世ヨーロッパの貴族の女性の髪形くらい盛られていいるのだ。
一介の人間に過ぎない私なんかよりも、遥かに格上だろう。
だがそれはそれ、これはこれ、だ。
私はバルバモンというデジモンがその設定故に嫌いだった。
何より私はイライラしていて、目の前の存在が『少なくとも祖父では無く、確実に不審者』であるという事実は、八つ当たりという名の暴力を向けるには十分過ぎる理由になる気がしたのだ。
……この行動が理由でこいつに殺されたとしても、それはそれで。という思いが無かった訳でも無い。
「いや、「やかましい」て」
しかしバルバモンはというと、私のキックに対して怒ったような素振りは見せなかった。
強いて言うのであれば、困惑、くらいだろうか。
「聞いてた? これ、お嬢ちゃんのお爺ちゃんの身体だよ? 自分の身内の身体がさ、魔王に乗っ取られてたらさ。いくらなんでも普通、もっと驚くとか、怖がるとか……ほら、ワシを畏れ敬いなさいよ」
「やかましい」
お嬢ちゃん、といういい加減年齢にそぐわなくなってきた呼称にもかなりイラッときたので、私はもう一度、当初の台詞を繰り返した。
「私。嫌いなの、バルバモン」
「お、おう」
「あんたの図鑑説明の最後にある「必殺技はベリアルヴァンデモンより超強いよ」の1文のせいで私がどれだけ嫌な思いをさせられたか解ってる?」
「そ、そんな事言われても……ワシ強いもん……」
「五月蝿い」
「スミマセン」
事態は未だに呑み込めていないが、『強欲』の魔王はどうやら、私ごときに気圧されているらしかった。
それがさらに、私の苛立ちを加速させる。
この魔王が情けない姿を曝すという事は、この魔王より『下』であると明言されてしまっている、他の魔王型デジモン達の格まで下げてしまうという事に他ならないのだから。
加えてそれら魔王型デジモンの格が下がるという事は、そのデジモン達と死闘を繰り広げたキャラクター達にまでその影響が及ぶという事なのだから。
「私、デジモン、好きなの。好きなのに……っはー。何? なんでよりにもよってバルバモンなワケ? 今この瞬間が夢か現かなんて知らないけど、どっちにしたって「私が初めて対峙したデジモン」が大嫌いなバルバモンって。何」
「そ、そこまで言う事無いじゃん?」
「……」
私はもう、同じことを言う気にはなれなかった。
「……ねえ、お嬢ちゃん」
「……」
「渋谷系デジモンしてたパンプとゴツ見下ろすヴァンデモンだって、もうちょっと優しい目ぇしてたよ?」
「……」
とりあえず第2の情報として、このバルバモンには『デジモンアドベンチャー』の知識がある事も、解った。
「……えっと」
「……」
「お嬢ちゃん、デジモンは、好きなんじゃよね?」
「……」
「ほら、多分、それならワシの話、面白いと思うよ」
「……」
「何がどうしてこうなったのか、知りたくない? 知りたいじゃろ? 知りたいよね?」
「……」
「言葉のキャッチボォルッ!!」
「手短に簡潔に解り易く話して。老人の無駄話だって判断したら、帰る」
「お……応」
一応は反応を示した私に、バルバモンは一瞬、安堵らしい表情を見せて、それから床に正座をする。
「まあ、いくらワシが魔王とはいえ、まずは、ごいあさつからじゃの」
そのまますかさず公式の誤字ネタをブッ込んできたバルバモンの頭に、私は今度は回し蹴りを叩き込んだ。
*
七大魔王を殺すと、別世界の七大魔王が、強くなる。
そんな設定が降って湧いたのも、思い返せばバルバモンが先ほどネタにした『デジモンストーリー サイバースルゥース』からだったか。
祖父の罵詈雑言を聞き流すスキルを日頃から身に着けていたせいだろう。祖父を依代にリアライズしているためか祖父と同じ声をしているバルバモンの話は驚く程頭に入って来なかったが、それでもどうにか掴めた事の大枠を要約すると、上述の設定のせいで強くなり過ぎた七大魔王を『弱った人間』の中に押し込める事によって弱体化させる、という策をデジタルワールドのホストコンピューターが実行した、との事で。
突如『画面の向こう側』でしか無かった世界観が日常の中に飛び込んで来た事には困惑を覚えざるをえなかったけれど、ひとことで言うと「大体イグドラシルのせい」になるのはとてもデジモンっぽいなと私は思った。
「まあワシらもはいそうですかとタダで弱体化させられるのヤじゃったし、他の連中は知らんがワシの場合は、ホレ」
かぱ、と。
バルバモンは、金色の仮面を外す。
元から露出している口元を除いてその下に顔らしい顔は無く、代わりにあるのは無機質で単眼の白い面で。
「『ネクスト』かよ」
単行本4巻の117ページ参照と言った所か。
「ふふ……ワシはイグドラシル、イグドラシルはワシ……」
「ペルソナ違いだやめろ」
何故か得意げな笑いから一転。ええー、と似合いもしない不服そうな声を漏らすバルバモンを静かに睨み付けると、彼は仕方なさげに金色の仮面を顔に戻す。
「とは言っても、ワシの場合ちょいと権能を借りただけでな。能力の使用はこの身体、つまり依代を探した際の1回こっきりよ」
「……じゃ、なんで私の祖父を使おうと思ったワケ?」
「おっ。なんじゃろな、ようやく会話が成立してきてワシ心がほわほわすっぞ」
「……」
踵を返す。
「待って。スミマセン調子に乗りました帰らないでワシの話聞いてってば」
「聞かれた事にだけ答えろ」
これだけ言っても危害を加える気が無いらしい。むしろ困ったような溜め息を吐き出し頭を振ると、バルバモンは話の続きを紡ぐ。
「孫がな、欲しかったんじゃよ」
私は老人の無駄話だと判断し、引き留めるバルバモンを無視して帰宅した。
*
とはいえ薬の時間になれば様子を見に行くのは私の役目だ。
先程の光景が白昼夢で無かった保証はどこにも無く、サボる事自体は不可能では無いのだけれど、それをして後で責められるのも私なのだ。
忌々しい事に慣れた風習として必要な筈の物の買い物を済ませ、私の足は半ば自然に、祖父の家へと向かっていた。
「……ただいま」
自分帰る場所でも無いのになと思いつつ、父が生まれた家だからという理由でその挨拶と共に勝手口の戸を開ける。
「応、おかえりなのじゃ!」
出迎えた金色の仮面に、私は半身だけを乗り出し荷物だけ置いて再び戸を閉めようと
「違うおかえりって帰れって意味のお帰りじゃないから! 待って、行かないでお嬢ちゃん!!」
「(頭の)風邪、早く治すよ」
「幻覚じゃない! ワシ幻覚じゃないから!!」
閉じさせないように長い爪の生えた指が扉を抑えている。
このままバルバモンの指戸口に大激突的な流れになればいいのにと思いはしたが、流石に究極体魔王型。老人の姿をしていても、力は向こうの方が強かった。
……それでも多少は拮抗出来る辺り、弱体化自体は本当らしい。
「……何」
もちろんこのまま私の方から手を放して家に帰れば良いのかもしれなかったが、こんなに早く戻ってはサボりを家族に怪しまれるし、これ以上このやり取りを近所の住人に聞かれたらと思うと、それはただただ嫌だった。
こちらの心情を知ってか知らずか、兎に角自分に対応の兆しを見せた私にほっと安堵の笑みを浮かべると、バルバモンは中に上がるよう空いた手で私を手招きする。
「いやあ、お嬢ちゃんが戻ってきてくれて助かったわい。この家、妙に汚いもんじゃから掃除しとったんじゃが――」
「ヘルパーさんにお願いできたらもう少し行き届いたんだろうけどね」
ここに関してはバルバモンのせいでも何でもないが、私は反射的に吐き捨てた。
祖父の自称『気高さ』は身内以外の世話を受け付けなかったし、元より吐き気のするようなクソ田舎の空気はプロによる介護を悪徳と捉えていて。
ぐ。と、バルバモンは戸惑いからか台詞を霧散させて。
しかしどうしようも無いと判断したのか、改めて、口を開いた。
「あー、その……動いたもんじゃから、腹が減ってな」
「はぁ」
「あれじゃよ。ワシ、ひそかにニンゲン世界の物食べるの楽しみにしとったんじゃよね」
「ご飯なら、買って来たけど」
私は足元の買い物袋を持ち上げる。
ぱぁ、と、バルバモンの表情が変わった。
「でかしたぞお嬢ちゃん! 何を買うてきてくれたんじゃ?」
「牛乳」
「ふむ」
「牛乳」
「……それから?」
「牛乳だけ」
「えっ」
「……」
「え……?」
どん。
音を立てて机に置いた袋から2本。1リットルの紙パック牛乳を取り出す。
「……依代の記憶とか、覗いたりできないの?」
「え、できんよ……。いらんし……」
その取捨選択だけは賢いな、とは思った。
「元々私の祖父は偏食が酷くて」
「はあ」
「お医者様が「食べ物があまり食べられないなら、せめて牛乳を食事につけるように」と」
「なるほど」
「そしたらあの人、その日から「医者は毎日牛乳を2リットルだけを取れと言った」っつって聞かなくて」
「なんで?」
「何を持って行っても改めてお医者様に言ってもらっても聞かなくて、それ以外の物を食べさせようとすると「わしを殺す気か」って言って大暴れするから」
「……」
「人間、案外そんなんでも生きていける物なのよね」
「……」
「どうしてもって言うなら冷蔵庫の野菜室にクサリキュウリがある筈だから蜂蜜でもかけて食べればいいんじゃない?」
「せめてクサリカケにしよう? てか捨てよう??」
「勝手に捨てると怒るから」
「えええ……」
人間ですら無い老人型魔王の方が考える事がまともなんだなと鼻で笑って、私は彼の脇を抜けて冷蔵庫を開ける。
むあ、と広がる臭いに胃の腑の奥から吐瀉物をぶちまけないよう息を止めながら、牛乳パックを半ば投げ込むように中へと押し込んだ。
「……ぅぉぇ」
「吐いたら自分で掃除してね。雑巾は捨てていいから。それじゃ」
言葉に変えた呼吸で周りの空気を軽く吹き飛ばしながら足早に去ろうとすると、バルバモンに回り込まれてしまった。
こんななりだが、なんだかんだで、動作は素早いらしい。
「待ってお嬢ちゃん。ワシせめて咀嚼が必要で人体に有害じゃない物が食べたい」
「骨粗鬆症みたいな髭してるんだからカルシウムとってなさいよ」
「やだその罵倒数千年生きてきた中で一番傷ついた。あと骨にはビタミンDとかも大事らしいからね? 多少はね?」
「半裸で日光浴でもしててどうぞ」
もう一度バルバモンを抜き去ろうと試みるが、両手を広げて公式絵みたいなポーズを取られるとケープと羽が非常にかさ高く、勝手口への道はほぼ完全に塞がれてしまっている。
引き返して玄関に回るのも一つの手だが、こいつのすばやさを鑑みるに先程の二の舞だろう。
それに
「やーじゃー! やじゃやじゃやじゃやーじゃあ! 食べたいー! ニンゲンの食事たーべーたーいー!!」
ここまでくると、どれだけ無視を決め込んでも受け入れてくれそうにはなかった。
目の部分は仮面だしそもそも液体を噴出しそうな目でも無かったのに完璧な涙目で食欲を訴えるしわがれ声は、『強欲』の魔王の『強欲』部分が最高にダメな形で発揮されているとしか、思えなくて。
「チッ」
「……いや待って。今「チッ」っつった? 「チッ」って舌打ちしたよね?」
私は見せつけるように同じ動作を繰り返した。
「うわぁ」と静かに、引いた声が響く。
「アルケニモンだってマミーモンにここまでの塩対応はしてなかったよ? ……してなかったよね? してなかったと思うんじゃけど」
舌打ちに代わって、今度はわざとらしく、溜め息。
……それから。
「ちょっと待ってて」
「へ?」
「すぐに戻るからここ通して。追いかけたりしてこないでね」
「お……? 応……」
すんなりと。
あんなに騒いでいたのが嘘みたいに、バルバモンは通路の端へと身を避ける。
今度こそそこを通り抜けて勝手口を出て。……一瞬、やっぱりそのまま帰ろうかと思ったけれど、約束を簡単に反故にするような人間にはなりたくないと思って、結局、私はいつも貧乏くじを引く。
祖父の家の前に停めていた自転車の籠に置いたままにしていたコンビニの袋を、手に取った。
「はい」
そうして引き返して、バルバモンの前で袋の中身を取り出す。
「……それは?」
「1食当り熱量217キロカロリー、蛋白質3.8グラム」
「……」
「脂質5.9グラム炭水化物」
「やめよう?」
「37.6グラムナトリウム540ミリグラム」
「成分表の読み上げやめよう??」
「……海老マヨのおにぎり。と、骨なしフライドチキン」
いい加減デ・リーパーみたいなムーブを取りやめにして、私は217キロカロリーのラベルをバルバモンの方へ向け、同時に袋の中に残っていたまだ温かいチキンの入ったを手に取った。
「これ食べればいいんじゃない?」
「? え、でもこれ、お嬢ちゃんのご飯なんじゃ?」
「ううん。ご飯はもう食べた。……でも、なんか、こういうの1人で食べなきゃ、食べた気がしないから。……でもいいよ。身体に悪いのは解ってるし。だからどうぞ」
食品を袋に戻して、バルバモンに手渡す。特段食べたくて買った訳じゃ無いのは事実だ。
バルバモンは、私のそんな、いわゆる『おやつ』をまじまじと見下ろして――不意に
「じゃあ、半分こしようぜ」
とのたまったので
「いらない。人の物ってあんまり食べたくないから」
と断った。
もう今日だけで何回「え」を連呼したか解らないバルバモンの口と口周りの皺が、への字に折れながら文字に起こすと3回分くらいの「え」を紡ぎ出す。
「人の物って、ワシこれ今お嬢ちゃんにもらったばっかりなんじゃけど?」
「いらないなら手を付けないで返して。食べ物を粗末にするのは私だって本意じゃないし。今ならまだ間に合う」
「いらんくないいらんくない! ……あー、老人と孫っぽくていいと思ったんじゃけどなぁ」
孫。
自分を指す単語として久方ぶりにそれを聞いた様な気がして、しかしすぐに、数時間前には耳にしている事を思い出す。
「さっきも言ってたけど」
「おん?」
「孫って、何のつもりで言ってるの?」
「えぇ~え? ワシさっき説明しようとしたんじゃけどな~。でもお嬢ちゃん聞いてくれなかったじゃん? それなのにおんなじ説明繰り返すの、ワシとしてもな~?」
「ああ、そう」
気にならない訳では無いが再び話す気が無いというのなら仕方が無い、そう思って帰ろうとしたら、案の定出入り口を塞がれた。
なんだかんだと、もさもさの髪と髭も引く程鬱陶しい。
「興味! 興味を持って!」
「自分も無駄話を求めない以上人に無駄話を強要するのは筋違いかと思って」
「ひん……一見正しげな事言ってるように思えて魂に《ネクロミスト》くらってるとしか思えないようなドライさ……。これにはファラオモンもびっくり……」
「ファラオモン、バルバモンより大分好きよ」
「ほげぇ……。「デジモンに動じない」を検索条件に入れたワシの落ち度なの……?」
こちらに聞く気が薄いと解って素の会話に重要そうなワードを混ぜてきた節がある。
このまま流してもいいが――ただ、その前に。
「それよりご飯、冷める前に食べたら?」
温かいものを、温かい内に。
気遣い云々では無く、冷めた事を自分のせいにされるのが嫌で、私は手放したコンビニの袋に指を指す。
「ん? ふむ……まあ、それはそうじゃな」
そしてバルバモンはいやに素直に、私の言葉に動じた。
相変わらず魔王としての威厳が地の底なのは腹立たしかったが、そもそもバルバモンというデジモンの評価にそこまでのものは求めてはいないし、
それに、
「いただきますなのじゃ」
「……」
食前の挨拶が出来る分、祖父よりはマシな思考回路をしてるなとは、また、思ったりもして。
骨なしのフライドチキンを前に大きく開いた口には、ギザギザの歯が並んでいた。
半分以上をその歯で挟み込んで、そのまま軽く上を向いて溢れ出す肉汁を零れないよう流し込み、その後、バルバモンはチキンを噛み切って、咀嚼する。
「むぐむぐ……あー、城での食事とは随分と趣が違うが、なかなかうまいんじゃー。思ったより衣がサクサクで肉も柔らかいのう。これがお手頃価格で買えるんじゃろ? 人間界いいとこじゃな!」
「はじめて庶民のモノ食べたお嬢様みたいなムーブやめろ」
「わはははは。もはや権能は使えんとはいえイグドラシルの力の片鱗でコンビニおにぎりの開け方はわかるぞい!!」
「だから――。……。あー、もう……」
前々から気になってたので拝読させていただいて、いざ感想をば。
いやー初っ端からメタメタ(色んな意味)で、こっからどうシリアスな展開に繋がっていくものかと正直半信半疑な所もあったのですが……いやはや、しっかりラスエボだし”魔王”だしで感服いたしました。ネクストのイグドラシルバルバは自分もネクストコンプ勢なので知ってますが、結構インパクト大きいですよね……そらこのぐらいの事はやってのけますわよな……(そしてそれを一撃で仕留める『調停者』のチート性能よ)。
サイバースルゥースでの(過去作キャラクロス)話で明らかになった話、正直個人的には「うーん?」となった所もあったのですが、二次に落とし込むとこうも魔王が狙われる展開に繋げられるものなんですな……自分もメイン連載作品で”魔王”を取り扱ってるので、参考にしようと思います。
孫娘の容赦の無い言葉攻めとお爺ちゃん魔王の言葉の応酬、そういったやり取りが全部吹っ飛ぶ勢いの終盤の”強欲の魔王”の貫禄、とても良いものを見させていただきました。孫娘のこれからの”地獄”が具体的にどのようなものになるのか、適度に夢想しつつ今回の感想は終わります。
例のウイルスの所為もあってこちらはまだラスエボをノベライズでしかキメられておりませぬが、それでも「きたないラスエボだなぁ(褒め言葉)」と言える作品でした。このご時勢だとまた自分の行ける映画館で観れるようになる可能性も低いでしょうし、マジではよブルーレイ発売日になってと祈るばかりです……。