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【Part 1/3】
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今日まで他人の機微など気にせず生きてきた少年――坂本翼(さかもとたすく)の眼にも、パートナーデジモン達の顔から漂う申し訳無さげな感情はありありと見て取れた。
こればかりは仕方が無い、と翼は思った。先の戦いで判明した《進化補助プログラム》のギミックとは、要するに「テイマーの生命エネルギーをデジモンに分け与えることで進化体の定着を補助する」というものなのだが、パートナー達はプログラムの補助なしではその身体を数秒も維持できない――言い換えれば、パートナー達が進化し戦い続ける限りテイマーの生命力が消費され続けるのである。テイマーを守るための力と引き換えにテイマーの命そのものが危険に晒される事実は、無論翼らを困らせはするが、それ以上にパートナー達にとって不本意極まりない筈であった。
せめて、ドラコモン達を元気付ける方法でもあればいいのだが。
今はどんな言葉を並べても、全部上辺だけになってしまうような気がした。

ep.04「ZERO-FIELDS」
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ひなたがある程度まで復調し、問題なく対話を行えるのが確認されると、健悟はすぐに次の行動を提案した。その内容は、山賊の頭に脅しをかけた魔王派集団の滞在地点を把握し、それを無視して先へ進むというものだった。テイマー、デジモン共々ガードロモン達との戦闘で体力を消耗した今の状態では、戦闘は言わずもがな、本来なら移動の敢行すら適切とはいえない。とはいえ、遮るものの少ない荒野でいつまでも養生している訳には行かない上、タイムリミットも不明な《魔王》リヴァイアモンの覚醒を悠長に待つ余裕もやはり翼らには無い。そのため、体力を温存しつつ着実に目的地へ近付く策として、少なくとも今日1日敵勢力との接触を避けつつ北へ向かう計画が立案されたのだ。
この提案が可決される頃には、翼や誠、レミ、健悟の「消耗」――即ち生命エネルギー供給による疲労と体調不良――は殆ど回復していたが、ひなたの消耗はそれらに輪をかけて重篤で、意識が戻ってもまともに歩けない有様であった。そのため道中は誠がひなたを背負い、他の面々は誠のペースに合わせて歩みを進めた。その道中、子供達もデジモン達もまともに口を開かなかったことは言うまでも無い。
「……どうなってるんだ……?」
ただ1人、LEAFのボタンを忙しなく操作しながら歩く健悟だけは、微妙に事情が異なるようであったが。
「健悟、歩きLEAFは危ないよ」
「歩きスマホみたいな言い方だね……翼君、君のLEAFを貸してくれる?」
頼まれるままLEAFを手渡すと、健悟はそのボタンを数回押し、すぐにそれを突き返した。一体何の用事で、と問う間も無く、健悟は鞄からタブレットを取り出してこれまた忙しなく操作し始めた。
「ありがとう。これで君のLEAFのログを受信できる筈……ん、できた。こっちもあんまり変わらないな」
「もしかして……LEAFの機能の検証、ってやつ?」
「そう、それも急ぎの。他の皆も、よければLEAFを貸して欲しいんだけど」
そう言って仲間達から代わる代わるLEAFを受け取りつつ、健悟は「重要な話がある」と前置きして3つの事柄を説明した。
1つ、「デジモンの進化には6つの段階がある」こと。デジモンはタマゴから小さく非力な姿で生まれ、《進化》を重ねることで成長する。生まれた直後を第一~第二段階「幼年期Ⅰ~Ⅱ」として、今のパートナー達やゴブリモン達は第三段階「成長期」、オーガモンやガードロモンは第四段階「成熟期」、そして大陸北端で翼らを待ち受ける《魔王》リヴァイアモンは最大レベルまで進化していると見られる。《魔王》を討つためには、5体のパートナー全員が進化を極め、最高位の力を手に入れるのが最低条件なのだという。
2つ、「デジモンの進化とは本来恒久的な変化である」こと。デジモンは食事やバトルを通して自身のデータ量を増大させ、そのデータをリソースとして自らを強化・拡張=《進化》していく。通常、一度進化をすれば前の段階に退行=《退化》することは無いが、進化直後で身体機能が不安定な場合や、致命傷レベルの深刻なダメージを受けた場合などに限り、デジモンの体は自己防衛のために退化を起こすことがあるらしい。ベアモンが口述した「妙なウィルス」は、正にこの現象を引き起こすものなのだ。
そして3つ、「現時点で、進化補助プログラムを安全に運用するのは難しい」こと。パートナー達はテイマーから絶えず生命エネルギーを供給されなければ進化体を維持できない。そのため長時間、或いは高負荷の戦闘を行えばテイマーの生命にも危険が及ぶが、LEAFの設定画面から時間当たりのエネルギー供給量を調整することは可能であり、健悟はこの方法でエネルギー供給量を既定値の7割に減らすよう子供達に指示した。これによりテイマー側の負担は多少軽減されるが、必然的にパートナー達のコンディションが低下するリスクがあった。
という具合に、判明した情報は決して少なくはなかったが、それらはいずれも子供達の抱える様々な課題を浮き彫りにするだけのものだった。その課題の解決策を見出すためにも、子供達は丁度今そうしている様に、ただひたすらDWを彷徨い続けるしか無いのが現状だった。
「で、結局健悟は何を気にしてたの?」
つい先刻、健悟が何かを訝しむように呟いたのを翼は忘れていない。健悟は思い出したようにタブレットをつつきながらそれに応じる。
「《進化補助プログラム》のログを見てたんだ。自分のデータだけだと、エネルギー消費量に時間の影響や個人差があるのか分からなくて……」
「あ、だからオレ達のLEAFを」
「そう。特にひなた君の消耗の度合いが気になってたから、この際全員分を比較しようと思ったんだ。そしたら……」
百聞は一見に如かず、とでも言いたげに、健悟は翼にタブレットを手渡した。画面には5つの折れ線グラフが並び、それぞれの横軸下に翼らテイマーの名前が英字で記されている。
「これがひなた君のグラフ。戦闘中、ずっと上限一杯のエネルギーを消費してる。これじゃ倒れてもおかしくない……僕や星上君はその半分以下で済んでるけど、体調には多少影響が出ていたね。そして翼君とレミ君は、戦闘中盤で一時的に消費量が増した程度で、平均値はかなり低かったんだ」
「え、私?」
その指摘を受け、翼とレミは画面上のグラフを注視した。確かに、原点から急角度の上昇を見せたグラフは、ある時点から大きな増減もせず一定の値を保ち、グラフ右端――これが戦闘終了時点か――で再びゼロに戻っている。レミのグラフも殆ど同一の形状に見える。
「それってアレだろ? デジモンがめっちゃ頑張ったり、強い技を出したりすると、オレらにも負担がかかる、みたいな?」
いつの間にか、誠も翼の手元を覗き込んでいた。近付いた彼の顔には汗が滲み、よく聞くと息が僅かに弾んでいる。妹をおぶっての長時間のトレッキングは、運動部員にとっても決して楽ではないようだった。
「確かに攻撃のタイミングで増減が見られるけど、ノイズ程度の差だね」
「じゃあパートナー達の燃費が悪いんだな!」
「燃費って、車じゃないんだから……まあ、個体差って意味なら分かるけど。ただ、これは僕らが思ってるほど単純な問題ではない気もする……」
健悟は言葉尻を濁すと、翼の手からタブレットを取り上げひとりの作業に戻ってしまった。
彼の言わんとすることは、翼にも何となく察しがつく。ただパートナー達のエネルギータンクになるだけなら、オファニモンが翼らに「テイマーとデジモンの強い絆」などを求める道理は無い。今の子供達とデジモン達の関係は、どこかぎくしゃくした、あるべき形に収まらない不完全さを持っているように、翼には思えてならなかった。
「ごめん、なさい……ワタシが、ちゃんとしてなかったから……」
「いーんだよ謝んなくて! おい健悟、お前がじめじめした話するせいでひなたがヘコんでるじゃねえか!」
「……僕は必要な情報を共有しただけ。日本語が分からないなら妹さんに教わるといいよ」
「ぁあ!? 誰が日本語分かんねえっつったよ!? 会った時から思ってたけどな、その人をバカにしたみてーな態度がクソムカつくんだよ!!」
――人間がこんな調子だから、なのか。翼は自分のこめかみがギシギシと痛み出すのを感じた。
「誠。健悟は大事な説明してくれてんだから、じめじめとか言わないの。それと健悟、ごめんね……こいつの性格は多分どうにもならない……」
「おい翼、今オレ本気でしょげたんだけど……」
「お兄ちゃん、元気出して……後でいっしょに、敬語のお勉強しようね」
「私も手伝ったげる! 語彙には自信あるから」
「いらねえよそんな気遣い……」
こうして中身の無い会話をする内に、誠達の諍い(正確には誠が一方的に癇癪を起こしただけ)はどうにか収まった。若者のコミュニティに見られるこの柔軟性は、出会って間も無い子供達の互助には役立つらしかった。
ただ、子供とデジモンの間ではどうだろうか――当て所無く視線を漂わせるドラコモン達を、翼は横目で一瞥した。《進化補助プログラム》を巡るこの一件で、パートナー達が負い目を感じる必要は無い。そう何度も言い聞かせてはいるものの、彼らの表情が晴れる兆しは見えない。伝えるべきことは伝えた、後は時間に解決を委ねるしかない。そういうことだろうか。
「……タスク。あれ、何だと思う?」
正味1時間ぶりに、ドラコモンが声を発した。「あれ」と言って彼が視線を注ぐのは、翼らの針路を左前方に逸れた場所、地面に半ば埋もれたマンホール様の物体である。ただRWのマンホールと異なるのは、遠目に見ても径がやけに大きい点、そして真ん中にハンドルが付いている点である。
「何かの入り口、かな? 地下に繋がってるのかも」
「やっぱそー見えるか。あれが魔王派の連中の拠点ってヤツかも知れねーぞ」
その「入り口」は、距離・方角共に盗賊のゴブリモンから聞き出した情報と概ね一致する。ここ2日間に渡って翼らを苦しめた元凶があそこにいるのだと思うと、誠に倣って自らの拳で礼をしたい衝動に駆られた。
「皆分かってるとは思うけど、今は寄り道をしている余裕は無いよ。敵に気付かれない内にここを離脱する、それだけを考えて」
思考を読まれたのか、健悟に釘を刺されてしまった。先刻の会議で決定した事柄に今更異議を唱えるつもりは無いが、一抹のもどかしさは拭えない。魔王討伐を成した暁にはお礼参りにここを訪れようと、翼はマンホール周りの景観を目に焼き付けた。
水気を失いひび割れた大地の真ん中にマンホールが1つ、というだけでも十分特徴的なロケーションだが、よく見るとそれを遠巻きに囲むように4つの赤黒い突起物が地面からひょっこりと頭を出している。その色味と形状はさながら鉄骨を思わせるが、どれも建物の骨組みとするにはあまりに短く、飛び出た頭は全て同じ方向・高さに切断、というよりせん断されたような形をしている。そしてその一帯には、何かを粉々に砕いたような細かい瓦礫がまばらに散っていた。
「あの場所、もしかして最近まで建物があった、とか……?」
ここまでの所見を総括すると、そう結論付けるのが自然であるように翼には思えた。しかしそうなると、何故入口が無防備なまま晒されているのか、修復する者はいなかったのか等々、不自然な点がいくつも浮かび上がる。
流石に気になるでしょ、と子供達の顔を見ると、皆一様に立ち止まり、「これ以上の詮索はするな」と言いたげな冷たい眼差しを返した。パートナー達も概ね同じ反応だったが、ヒョコモンだけはマンホールを見つめて何か考え込んでいる風情である。
「ケンゴ殿。ヒョっとするとあの拠点、今はもぬけの殻やも知れませぬ。情報収集にもってこいではゴザらぬか?」
「……まさか立ち寄ろうとか言うんじゃないだろうね……?」
「さよう。尤も、かような謎は解くに値しないと仰るならば、これ以上申すことはゴザらぬが……」
健悟の冷静な面構えが一瞬揺らいだ。謎を謎のまま放置できない性格が、過去の自分の決定を翻さんとしているらしい。
「ルナモン。君の聴覚で地中の音は聞き取れる?」
「えっ、はい……風が通り抜ける音と、誰かの話し声が少々……ここから聞こえるのはそれぐらいです」
「ありがとう。……ちょっとだけあの近辺を調べて来る。皆は先に行ってて」
健悟の探究心が警戒心に勝った。
「なあちょっと待って? 健悟、キミさっき寄り道をしてる余裕は無いって言ったよね? オレには釘刺しておいて自分は調べに行くんだ? どんな合理的判断が働いたのかな? そこんとこ謎過ぎて気になっちゃうなあ?」
「いや、申し訳無い……有益な情報をなるべく多く集めたいんだ。まずは侵入できるかどうか様子を見て、少しでも不安を感じたらすぐ引き返す。仮にこれが罠でも、君達が距離をとっていれば全滅は防げると思うよ」
「そういう問題じゃないんだけど……」
翼はあまり納得していないが、健悟の眼に宿る熱があまりに強かったため、「気を付けて」の一言を以って送り出す他無かった。
ヒョコモンを連れて駆け足でマンホールへ向かう健悟を横目に、子供達は予定通りの針路へ再び歩き出した。先程に比べて移動速度が落ちているのは、誰もが健悟達の様子を気にしているからに相違無かった。
早くもマンホールへ到着した健悟達は、背中合わせで周辺を見回した後、建物の痕跡と思しき鉄骨付近を物色していた。特に目立った何かが見つかる様子も無く、そのままマンホール内へ侵入する――かと思いきや、健悟は突然その場に屈み込んだ。地面に散乱する瓦礫が気になったらしい。健悟は掌よりやや大きめの建材の欠片を1つ拾い、数秒じっと見つめると、それを持ったまま翼らの方に駆け戻ってきた。
「あーれれ、どしたの健悟? もしかして寂しくなっちゃった?」
息を切らして翼らに追い付いた健悟は、仲間達全員と目を合わせ――しかし軽口を叩く誠からは器用に視線を逸らしつつ――、極めてシリアスな声音でこう言った。
「全員で、あの場所を調べよう。あそこには…………多分、僕達以外の人間がいる」
翼は耳を疑った。きっと己の目も、遅れてやって来たヒョコモンや、足を止めた他の仲間達と同じく丸くなっているだろうと思った。
「人間って……どうしてそう思ったの?」
翼が疑問をそのまま口にすると、健悟は先程拾っていた瓦礫の一片を翼らに見せた。漆喰めいた白い破片の表面に、黒い手書きの文字で“WELCOME!”と記されている。線の形状から察するにマーカーペンの筆跡である。
「デジモンの世界には独自の文字言語があって、僕達人間の文字は殆ど使われていない。意味の通る英語を書けるのは、人間か、或いは人間の文明に詳しい誰かだ。加えて、壊れた建物の残骸にこんな文言を書き残したってことは、『人語が読める存在』を、あの場所に誘導する意図があるってことだ」
人語が読める存在、の部分を、健悟は心持ちゆっくりと強調して発音してみせた。そんな者は翼ら人間以外にいないと、健悟自身が説明したばかりである。
例の欠片を鞄にしまう健悟に、レミが「一応聞いておくけど」と前置きして問いかけた。
「これ、どう考えても罠じゃない?」
「そう考えていいだろうね。ただ、もしあそこにいるのが人間だとしたら、接触すること自体に意味がある。DWの現状に関わる、ひょっとしたらオファニモンすら知り得ない重要な情報を掴める筈だ」
「だから皆でガード固めて侵入しよう、って訳ね」
頷く健悟を見て、レミは一応納得の表情を示した。
翼が思うに、健悟の言い分は正しい。翼らとは異なるアプローチでDWに来た人間とは、言い換えればオファニモンの関知していない未知の存在ということだ。それが敵であれ味方であれ、世界の情勢を深く知る手掛かりにはなる。しかし、“WELCOME!”などと緊張感に欠ける、というより挑発的な文言を書き残す辺り、友好的な者達とは断言できない。健悟が主張したい事柄は、大方そんなところだろう。これには一理ありと得心したのか、仲間達も神妙な顔で頷いている。
ただ――翼にはどうしても理解しかねる点が一つ。
危機管理には人一倍強いこだわりを見せていた健悟が、何故この状況で突然敵の罠へ飛び込もうなどと進言したのか。地下で翼らを待ち受ける存在が人間である、という確証も今のところ無いというのにだ。単なる好奇心を理由に他者を危険に巻き込める程、彼が身勝手な性格であるとは考え難い。
これは、何か裏がある。翼の直感が俄に騒ぎ始めた。
――例えば、健悟がさっさと鞄に隠してしまった欠片の裏面なんかを見れば、この疑問は解消されるだろうか。そんな詮無い思い付きを意識の隅に押しのけつつ、翼は仲間達の背中を押すように確と声を発した。
「行って確かめよう。オレ達にとって大事な何かがあるなら、確かめなきゃ損だよ」
「……いいのかタスク。今のオレ達じゃ、何かあった時にオメーらを守れるか……」
「大丈夫だよ! 健悟が対策を考えてくれたんだし、後は改めて実戦あるのみでしょ? オレ達が力を合わせれば、きっと何だってできるさ」
「……それ、オレが昨日言ったセリフじゃねーか」
ドラコモンの口元が綻んだ。それを皮切りに、他のパートナー達の表情にも、少しずつ張りが戻り始めたようだった。
そう、今は多少無茶なことでもやっておいた方がいい。翼らにとって本当に損なのは、モノや情報にありつけないことではなく、パートナー達が自責の念に囚われ万全の力を出せないことだからだ。今度の試みを機に、パートナー達がまた気兼ねなく戦えるようになれば、戦果としては上々と言える。
とはいえ、本当に翼らとドラコモン達の力で「何だってできる」のか、そこだけは不安が残る。今できることといえば、あらゆる事態を想定して予め知恵を捻り出す程度だ。何かあっても、状況に応じて何とかするしか無い。少々無責任な理屈ではあるが。
「全員承諾してくれるんだね。それなら早速全員で…………いや、ひなた君は残った方が……?」
「わ、ワタシも行きます! もう自分で歩けますから!」
「ヒナタ、無理はするなよ! さっきはヒナタに負担をかけてしまったから、今度はオイラがヒナタを支えるぞ!」
「うん、ありがとねっ」
全員、腹は決まったらしい。
一足先に踵を返した健悟に並ぶように、翼らもマンホールへ向けて歩き出した。珍しくデジモン達が足音を立て堂々と歩いているのは、今しがた湧き上がった闘志の表れだろうか。
現状の最新話こと第四話、拝読いたしました。
前話で発覚した『進化補助プログラム』の存在とそのリスクに、最も危険な要素を孕むことになった一行。前話のドラコモンの反応からも察してましたが、リスクを直接背負う側である人間側よりも、そのパートナーデジモン達の方がやっぱりショックは大きいようで……まぁね、パートナーデジモン達が自分達のパートナー第一なのは第二話の時点で明らかでしたし、この事実は『仕方無い』の一言でなかなか納得しづらいものでしょう。
健悟君がせっせと『進化補助プログラム』による『消耗』は『設定』を調整することによってセーフティーを設けることが出来ると調べてくれたおかげで、ひとまずテイマー側の負担を少しは軽減出来たとはいえ、その負担がイコールでパートナーデジモン達の力となっていた以上、それ即ちパワーダウンに他ならない、と……楽して助かる命が無いのは何処も同じだな!!(パンツライダー並感)
で、今回はタイトルの時点で薄々察してましたが翼くん達が翼くん達以外のデジタルワールドにやってきている人間と出会う回でしたね。……いやいやいやいや、パートナーのレベルが違い過ぎるって!! 序盤から魔王と同レベルのビッグネームがやってきた!! しかも第三勢力と来たかぁ……色々知ってることは多いでしょうし、今後の動向が気になる一派ですなゼロ・フィールズ……。
今回相対することになったのはそんな彼らの雇ったコマンドラモン達にシールズドラモン……推しだー!! 推しデジだー!! そして健悟君&ブライモン初手からいったぁ!?
えぇ……相手が人間だと解ってる上で微塵も遠慮が無いよ寸止めする気があったかも怪しいよこの子達ぃ……いやまぁマジで大事に至ろうとしたらシールズドラモンより先に傍らの海中最速の神が手を出して三秒で終わってたでしょうけど、どっちにしてもやべぇよやべぇよ……。
マジのマジで一触即発で始まった今回の戦い、ひなたちゃんの『支え』のくだりもそうですがゼロ・フィールズと遭遇する前に出会ってヒョコモンがロードしたスカルサタモンの存在がこう活きることになるとは……テイマーズでレオモンがオロチモンを葬ったあのシーンが好きな自分としては心躍らずにはいられねぇ……!!
テイマー達の言葉に応えて改めて進化の力を使ったパートナーデジモン達といい、前話もその前の話もそうでしたが、明るみになった問題や悩みをその話の内に解決しようと各々が意識してるからか、実際にはまだ『解決』だなんて言えない状態でも少年達がしっかり奮起しているのはとても安心感を覚えますね。まぁ今回の話で浮上した問題についてはある種の核心に近い物だと思うので一話二話でどうにかなるものかは怪しく思えますが……。
今回の話も非常に濃密で、ワクワクするものでございました。
はてさて、第三勢力の存在も明らかになってこれから翼くん達のアドベンチャーはどうなることやら……期待に胸を膨らませながら、次の話も待っております。これでひとまず現状投稿されているお話は全部読み終わったはず……って、
あ、第0話があった……読まねば……。