・・・・・・・・・
その二体は少し表に出て自己紹介をした後ひっそりと中で過去語りを・・・他愛もない会話に耳を傾けて苦笑していたりしていた・・・
そしてその二体はそれぞれ思うところがあったりもしていた
「家族・・・か」
「あれってなんで相棒が駆けつけれたんだっけ?」
「あのときは手を貸す程度しかできなかったが・・・彼が宿っている云々抜きに助かってよかった・・・」
「こいつが自覚してないだけで俺はずっといたから、あいつを初めて見た時え?何あいつ応急処置できるし、よく抱えて運ぶとか考えついたな、そして実行していく」
「里親とはいえ無理を言ったな・・・しかしこれが成長といったところか」
「いいねえ・・・泣けてくるぜ」
「「人もデジモンも成長していく・・・手を取り合うことでも」」
「猟奇的殺人・・・こいつならやってもおかしくはないかもな」
「死体処理めんどくさいっていう理由で絶対やらないだろうな・・・」
「本当に半殺しにしそうだからやめてくれ・・・」
「おーやれやれー」
こちらに意識が向いていないことをいいことに普段からは分からない素(?)となり各々好き勝手考えたりしていた・・・彼ら的には割とアウトラインの発言になっていそうだが・・・
二体はリアルワールドの裏のことを知ったからには事件解決に向けて協力者になってほしいと考えていた・・・もし仮に彼が究極体クラスのデジモンを宿していた場合、いつ発現するかは別として大きな戦力になり大きく動くかもしれない・・・姉弟の次に我々の話を聞いて頭がパンクしないかと不安になりながらも再び表へと動く
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「・・・ところで」
個室の病室のベッドでとある事件のけがで一時的に四肢が動かせず横たわっている少年、新庄頼賀(しんじょうらいが)が口を開いた
「「どうした?」」
それに同時に反応したのは二つのパイプ椅子にそれぞれ座っているのは、一応義理の姉弟である二人、頼賀の一歳上の新月廻陰(しんげつみおん)と頼賀の同級生であり友人である新月結(しんげつゆい)の二人である
とりあえず二人とも反応したことに安堵し続ける
「さっきのさ・・・確かアルファモンとオウリュウモンだっけ?の言ってた事件が何なのか知りたくてさ・・・うーんと・・・二人?を呼んでもらえない?」
おっけーと緩い感じで二人は少し黙る
次に動いた時にはあの時の異質な雰囲気をまとっていた
「ちょうどいい、私も君にそのことを話したかったんだ。それに今の我々の状態も知っておいてほしくてね」
廻陰に宿っているアルファモンが表に出て廻陰の口で話す
また、それに続いて結に宿っているオウリュウモンも表に出て口を開く
「へえ、アルファモンも俺と同じこと考えてたんだな~忘れてるかと思ってたぜ」
少しにやにやしながらアルファモンに絡んでいくオウリュウモン
「私の記憶違いであればすまないが、君はデジタルワールドにいたころからほかのことで頭がいっぱいになって大事なことが抜け落ちることが多くなかったかな?」
記憶違いであればと言ったものの真剣なまなざしでオウリュウモンをにらんでいる
「さあ?なんのことやら」
追及を逃れようとごまかそうとするオウリュウモン・・・大体、関係が新月姉弟と似ているように感じながら頼賀は恐る恐る二体に問いをぶつける
「あの・・・お二人の言っていた事件について・・・あとさっきの結が言っていたデジモンになれるって結や廻陰さんでもできるんですか?」
「デジタルワールドの事件についての質問には私が答えよう」
といいながら結に宿っていて今表に出ているオウリュウモンを睨みつけながら言った・・・恐らくは・・・さっきのことだろう・・・・
そしてアルファモンが語りだす
人間世界で16年前に私は人間世界を訪れたことは廻陰が語っていた・・・そして廻陰に宿り命を共有化させて今まで共に過ごしてきたことも、その過程で結と出会い・・・ともに人間世界に訪れていたがはぐれてしまっていたオウリュウモンとも合流することが出来た
さて・・・事件のことだが
簡単にはデジモンが行方不明になる事件が多数にわたって起きていた
正確な数までは分からないが少なくとも数年で一万件以上だ、さらにはダークエリアからも消失しているとも管理者であるアヌビモンから報告が来ている・・・中には七大魔王やロイヤルナイツ、三大天使といった良くも悪くもデジタルワールドのバランスを保っている存在の一部まで消えていた
この事態にイグドラシルは未曽有の危機と判断し、私(アルファモン)に人間世界の調査を命じた
私はそれに従い、相棒であるオウリュウモンとともに人間世界へと訪れた・・・ただしいろんなアクシデントに見舞われたが・・・あとは二人が説明したとおりだ
「デジタルワールドからデジモンが消えてる!?しかも七大魔王とかロイヤルナイツ・・・三大天使まできえてるって・・・」
デジタルワールドについては空想の中の作品として書籍とかの情報しか知らない頼賀でも、事の重大さを理解するのが容易いほど代表的なワードであった
(最強クラスの力を持つ魔王・・・七つの大罪が元のデジモンだったな・・・私利私欲的思考な奴が多いから・・・ダークエリアから解き放たれた状態ならまずい・・・)
(ロイヤルナイツも何体か消えてるんだろ・・・?デジタルワールドの各地を守護している存在が消えてるってことは治安とか荒れていそうだ・・・)
(三大天使・・・デジタルワールドの中枢である『カーネル』を守護する天使・・・何体かってことは一体は残ってるはずだが・・・)
主な三種のグループ・・・これだけでもいろんな意味で欠けたら不味いことを理解し恐怖する
不安な顔をしながら頭を抱えている頼賀にオウリュウモンが口をはさむ
「すまねぇがそろそろ俺のも話しておきたい。いいか?」
オウリュウモンの言葉を受けて、寝るときに整理しようと思い、今は置いておくことにしてうなずく
「よし、俺からは『結と廻陰がデジモンになれるか』だが、結論から言えば出来る」
ただしと付け加えて
「残念ながら究極体としての活動はかなり難しい。理由としては大きな力を使えばいろいろと面倒なことになるんだよ、敵対するやつに目を付けられやすくなったりしてな、もしそれが七大魔王ならさらにやばくなる。俺たちとしては二人の身体を借りてる身だろ?一応学校とやらにも行ってるし日常生活に支障が出ない程度で協力してもらう形をとっている。」
「ま、戦闘になっても二人は鍛えてるから大体体術で片づけてたりするけどな、万が一の時は成熟期や完全体クラスに落とした状態で戦ったり、俺たちが力の供給をして身体能力の強化(ブースト)をしたり武器の生成なんかで対応はできるようにはしている。あと俺たちは人間同士の戦いには積極的に干渉しないスタイルだからなー、デジモンがらみの時にしか力は使わない約束にしている。命の危機だったら致し方なしだけど」
こんなもんかなと一通り話し終わったオウリュウモンの話を頼賀は整理する
(まあ、そんなに都合よく力は使えない・・・と立場上の理由であったり、共存的な形をとるために・・・)
だが
(いくらなんでも『鍛えてる』から大抵何とかなるは無理があるだろ?!確かに俺は結との腕相撲で一回も勝ててないけどさ!?あと生身でデジモン殴り倒す人とかアニメでいたけどさ!!)
理解できない領域に入ってしまい混乱する
そこでふと思い出した。
デジモンがらみの事件が
自分が重傷を負ったときにもデジモンが関わっていたと
そして確認しようとする
「俺のけがの時は相手をどうやって気絶させたんだ・・・?」
オウリュウモンが少し何かをためらったが
「ああーそれね」
「結が強化なしで殴り飛ばしちまった。そしたら全員気絶したってことだ。まあ強化無しでも俺が抑えなかったし、割と強めに殴ってたから人間の身体だったら頭蓋骨砕けてるだろうな」
最後にしれっと聞き捨てならないことを・・・
(強く殴ったら頭蓋骨が砕ける!?え?次元が違いすぎるんだけど!!)
激しく動揺しているとオウリュウモンが
「あ、最後のは冗談ね(笑)、結がそう言えば面白くなるって」
と笑いながら付け加えた。そして
「いやー結の中で君との会話とかずっと聞いてたけど、本当に冗談が通じないんだねー(笑)。はっはっは」
(殴るか叩くかしたいけど・・・タイミング悪く手を動かせないし・・・)
冗談でからかうオウリュウモン(と結)とぐぬぬと悔しがる頼賀を眺めていたアルファモンが呟いた
「人間とデジモンは互いに影響しあう・・・このような同化でも起こるのだな」
そう呟いた後にオウリュウモンが表に出ている結にデコピンを喰らわせ
いてぇ!!と叫ぶオウリュウモンを横目に、彼の説明に付け加える形で
「この世界では人間と同化するという形でデジモンは存在している。あるものは我々のように人間の意識との共存を成功させている、またあるものは君たちを襲った連中のようにデジモンの力を使役するだけ、また、その逆であるデジモンが実質的に主導権を握る・・・君の場合はどうなるのか・・・まだわからないが」
と一息ついて続ける
「私としては共存の線が近いと思っていると思うがね」
「どうして・・・ですか?」
いきなりそう言われて頼賀は困惑する
「仮にも結を守りたいという意識で力を使っていたんだ。それに君はデジモンに対してかなりの知識と興味を持っている。私が知りうる情報だけでも、おもちゃやゲームの中ではそれなりの愛着を持ってデジモンと接していたと感じることぐらいは出来る」
ならばと続ける
「君は宿っているであろうデジモンと会いたいと思うはずだ。こうして我々がいるのならば・・・と」
「そんな・・・こと・・・」
的確に突かれて再び動揺してしまう・・・今日は何回動揺すればいいのか・・・
「君は宿っているであろうデジモンと真剣に向き合えるはずだ。私たちの話にも真剣に向き合ってくれた君なら」
かなり信頼されているのか、優しくも力強いエールをもらった気がする・・・
「まあ・・・いつになるかはわからないけど・・・頑張ってみます・・・」
曖昧な返事だが、揺るぎのない決意を確認したアルファモンは廻陰と入れ替わる
「アルファモンの観察眼すごいなあ」
(絶対にあんたの情報収集能力が影響してるだろ・・・)
廻陰の言葉に若干のイラつきを感じてしまう・・・
オウリュウモンも結と入れ替わったようで
「まあ僕たちに少しでもいいから協力してくれると嬉しいんだ!こっちも相談事とかも聞くから・・・さ?」
「断ると思うか?俺のできる範囲でよければ手伝うぜ(今はまだ非戦闘員だけどよ・・・)」
複雑な気分になりながらも結の・・・四人(?)の頼みを受ける
「ちょっと入るわよー廻陰ちゃん、結ちゃんもう面会時間終わっちゃうわよー」
切りがよくなるのを待っていたかのタイミングで頼賀の担当医であり新月姉弟の育ての親、新月藍しんげつらんが病室に入ってくる
そんなに時間が経ってしまったのかと驚いてしまう
「はーい、じゃあ頼賀、また明日お見舞い来るねー」
そう言って結は廻陰と藍先生を手を引っ張ってさっさと病室を後にした
居なくなったのを確認して頼賀はこの時間に見聞きしたことを整理する・・・
(新月姉弟の真相とデジモン消失事件かあ)
(究極体のデジモンが宿っているとはいえそう簡単には使えないか・・・そりゃそうだ、特に最強クラスに位置する二体だからこそ狙われるリスクが高くなる・・・それに切り札として使わないと見切られたりもする・・・かなり複雑な事情なんだな・・・)
(ああ・・・今日また寝れば・・・明日には動けるようにならないかな・・・)
「再生能力さん・・・お願いします」
つい言葉にしてしまい一人赤面してしまう・・・何言ってんだ俺は・・・と
結がいたら絶対にネタにされちまうよ・・・今日からかわれたのもあってか恥ずかしすぎて投身自殺まで考えてしまいそうだった・・・まだ足動かないけど
そして落ち着くとアルファモンから言葉を考える
「デジモンに対しての愛着・・・ねえ」
(俺は・・・もし仮に・・・育てていたデジモンがそのまま宿っていたら・・・俺は向き合えるんだろうか・・・そうでなくても・・・そのデジモンの全てを受け入れられなければ・・・真の関係は気づけない・・・そんな気がする)
これ以上はよくない、鬱になると考え目を閉じる
思考を張り巡らしていたからなのか
一瞬で
眠りに堕ちた
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(あれだけ話して大丈夫だったの?)
夜道を歩く中
そう、問いかける結
対するオウリュウモンは
(別にいいだろ、下手に隠してお前の友人関係壊したくなかったしな)
(優しいね・・・)
自然と微笑んでしまう
それを見た廻陰が話しかける
「まあ、後は彼次第・・・明日には動けるようになってるかね・・・」
廻陰がそう言うとエールを送ったアルファモンが答える
「あの速度だ、遅くても明後日までには治っているだろうさ・・・あとは彼がどう邂逅するかだ・・・知りすぎて意識した結果苦しまなければいいが」
あと・・・と続ける
「彼もこの前の事件の関係者だ・・・面倒ごとに巻き込まれないといいが・・・」
・・・警戒しておこうと四人が静かに同意する・・・囮的な感じになるのが心苦しいが
「そういえばこっちではデジモンって空想の産物でほぼ固定概念になってるから普通の人間じゃ認識がほぼできないって伝えましたっけ・・・?」
「「「「あっ!!(;゚Д゚)」」」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ふぁあああ~」
翌朝になり、頼賀はいつものように身体を起こし目をこする・・・身体を起こし目をこする?
「・・・・・あれ?マジで?昨日は全く動かなかったのに動くんだけど・・・」
昨日に言われた『俺に宿っているデジモン』の影響で得た異常な再生能力とやらで本来なら一週間目覚めないはずなのが二日で目覚め、三日で体が動くなるようになる・・・自分の身体なのに恐怖を感じる・・・されにそれは一端でしかないという・・・
だがそれにしても多すぎるような・・・
一体のデジモンでもここまで多くの能力を持っているのはまれ・・・もしかしたら人間よりもその種族の強めの再生能力が影響しているのか?
あれこれ考えていたが何も浮かんでこなかった
そうこうしているうちに一時間が経ち面会可能時間になったりした
そして日曜日であるがゆえの来客があった
「やっほー久しぶりー体調はどう?頼賀君」
頼賀より一回り小柄な少女でネガティブを知らないさそうなほど明るい顔が扉から現れた
「やあ、久しぶりだな・・・何か月ぶりだったか?芽衣」
久しぶりの幼馴染である菜月芽衣(なつきめい)との再会が病室だということに苦笑してしまう
「たぶん4か月ぶりだねー高校進学から一回も会ってないからごめんねー土曜日授業だったりで忙しくて来れなくてー、けがの調子はどう?」
ゆるくふわふわした話し方に懐かしさを感じる
「2日昏睡して昨日目覚めた。頭と首と顔しか動かせなかったけど、今日起きたらほとんどいつも通り動くようになったよ。多分近日中に退院できると思う。勝手な推測だけどな」
「ふーん、死にかけた割にすんなりと退院できちゃうんだ」
「それを幼馴染に言うことかよ・・・変わってないなあ」
それはお互いさま・・・と二人はそろって笑う
二人は幼稚園年中時代からの付き合いで中学までは同じであったが高校で別れてしまった
そのため会える機会はあまり多くない
それでも11年の付き合いがあるのでそう簡単には切れないほど深い関係になっている
「そういえば母さんがねー『頼賀君のお見舞いに行くならついでに告白しちゃいなさいよ』とか言ってたよー本当に困るんだよねー」
何度も何度も聞き飽きている言葉に嫌気がさしているのか声だけとても不機嫌だった
落ち着いて話をしようとそばにあったパイプ椅子に座るように促す
芽衣はありがととは言ったものの頼賀以外の人物に対して不機嫌の矛先を向けていた
頼賀は何とか気をそらそうとする
「ま・・・まあ11年間あったらそういってからかいたくなるのもわかるが・・・それくらい俺達の・・・なんていうか絆とかを認めてくれいるんじゃないか?あっちは割と真剣に考えちゃってるんだろ?俺の親父も『芽衣ちゃんにならうちの息子を任せられそうだ』とか結構前だけど言ってたし」
長い付き合いをかなり良好に過ごせているからなのか冗談抜きでいつ結婚話になってもいいような体制に当の本人たちは苦悩する
「でもねえ、まだ16行ったかくらいでしょ、私たち。それに今までもずっとそこにいる程度の感覚でしかなかったしねー気が早すぎるんだよ・・・」
互いに同じ悩みの種で頭を抱えてしまう
しばらくして芽衣が口を開く
「ねえ、近日中に退院出来そうなら外に出られないかなー?ずっとベットの上じゃ窮屈じゃないの?」
「つまりは外出る許可もらって来いと?」
「そんな感じー、一応日傘持ってきてるから夏の日差しにやられないように頑張るけどね」
準備万端かつ久しぶりの再会でこちらも少し長く一緒にいたかったので藍先生に頼んでみることにした
すると意外とすんなりGOサインを出されてしまった。
ただし条件として完全に四肢が回復したかは微妙なので車椅子で、そしてタオルと軽食を持たされた
なんでも、こうなることは新月姉弟から仕組まれていたようだった。実際に確認してみると芽衣宛てに廻陰さんから「明日くらいに外には出れるくらい回復してると思うぞ」てきなメッセージが送られてきていたり・・・藍先生には車椅子とタオルをはじめとした熱中症予防道具をそろえておいてとか・・・
さらには芽衣が俺の着替えをなぜか持ち込んでいたのでささっと着替えて難なく準備ができてしまった
姉弟に対して感謝とも余計な事とも捉えられそうな複雑な感情が渦巻いていった
(この場合は感謝かな…こんな状態でも幼馴染との再会は落ち着くものがあるし)
車椅子に乗り芽衣が押す形で病院から出る
久しぶりの日光で目が慣れてなくてで影を作り慣れさせようとする
すると芽衣がちょうど俺に影がかかるように日傘をさしてくれた
互いに気がきくのは良いなあと、たまにやる事被ることあるけど
互いに笑みを浮かべる
「ところで外に連れ出してはなんだけど」
5分ほど歩きだしたあたりで芽衣が本来は行く前に決めることを決めたいないことを気にする
「芽衣の行きたいところでいいよ。元々目的地なんて無いし一応これ散歩のつもりだから」
自分でも車椅子押せるけどなと言ったら
昨日まで四肢動かせなかった奴が言うな
と頬をつねられてしまった
これが平和な日常・・・今ならまだこのままでいられそうだ・・・と
取り敢えず公園でということで向かい
芽衣がベンチに腰を下ろす
「流石に暑い・・・夏・・・それも7月だからかなあ」
きつーいと芽衣も悲鳴を上げる
今日は7月15日の日曜日、明日は第三月曜日のため海の日で祝日だった
この時期になると高校ではほとんどの場合授業は行われないので勉強の遅れと言ってもそんなに問題がないことを思い出して安堵する
「これは早めに戻らないと熱中症で病院送りになりそうだ」
「しょうもないことでそれはいやー」
この場の一人が数日前に不良(?)に絡まれて病院送りになっているので説得力が違った
しれっとしょうもないこととは言っているが熱中症で運ばれる人はあとを絶たないのも事実であった
好奇心でデジモンには熱中症とかあるのか、どんな病気にかかったりするのか・・・アルファモン達に聞きたいことが山ほど浮かんできてしまう・・・ついこの前に結に対してデジモンはもう卒業してもいいんじゃないかって言ったばかりなのに
(俺自身もまだデジモンに何かの未練があるのかね・・・なかなか捨てられないもんだな。人のこと言えないな)
一息ついたところで二人は外に限界を感じ別の場所に行こうとするが
直感的な不安に襲われる
(・・・!?これは・・・あの時・・・と同じ感覚)
頼賀は一瞬のうちに違和感を感じ取った
自分が病院送りになった事件と同じような感覚で周りを見渡す
頼賀の鬼気迫る表情に芽衣は困惑し声をかけようとしたところでお互いの背後に何かが現れ
何かと認識する前に意識を奪われる
(な・・・ん・・・だ・・・)
1分もしたころ人影は何一つと無く
残されたのは車椅子と日傘だけだった
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