ヘクセブラウモンの言葉にデュナスモンはゆっくりと、そして深く頷いた―
「そうだ、オレはお前の言うとおり『自らの死』を願っている。今のオレはデクスの因子に飲み込まれ、もはや【デクス】そのものに成り果てた。そんな状態になってしまってはもうその願いを自ら叶えることは出来ない……」
デュナスモンは言葉を続ける
「本来であれば我が主であるイグドラシルに処断を下して頂きたかったが、未だ我が主は沈黙したままだ。そして【捕食者】となって幾多の世界を彷徨っても『粛清』という命を受けた他のロイヤルナイツでさえ誰も現れなかった……我が主には何か深いお考えがあるのだろう、そう思ったオレは残った自分のデータ領域を使って内部から出来る限りの信号を送り【デクス】の因子へと働きかけることにしたのだ」
黙って聞いていたヘクセブラウモンが一言口を開いた
「……どういうことかな?」
「我が主も、そしてロイヤルナイツにも自らの『粛清』を望めないというのなら『オレよりも力を持つ者と戦い、命を奪ってもらう他ない』とオレは考えた……【デクス】の因子に働きかけることで奴の干渉する箱庭に条件を追加することに何とか成功した。【強きデジコアを多く有する世界に干渉する】というものだ。だが、終ぞオレの命を奪えるデジモンに会えはしなかった―」
やれやれ―そういった素振りを見せながら再び言葉は返された
※あとがき※
はい、こんにちわこんばんわ おでんなドルモンです!さて第六話となりました。物語はいよいよ中盤から終盤にかけてといったところに差し掛かっているとかいないとか。今回は二つ目までの問い、そしてヘクセブラウモンが特異点として『視た』事実などを踏まえてのデュナスモンの抱える願いについてのお話になってますね。その中でみえてくる両者の動きなども文章の中から読み取って頂けるとちょっと更に(?)お話が面白くなるのかなーなんて思っているボクです。
さて七話ではデュナスモンから何が語られるのでしょうか。では次回またお会いしましょ~